企業のInstagram運用 更新 2026.10.19

Instagramリール制作に使えるAIツール|企業向けの選び方とおすすめ5つ【2026年版】

リール制作に使うAIツールは、工程ごとに1つずつ選ぶのが近道です。企業の担当者なら、台本はClaude、文字起こしはNotta、ナレーションはFish Audio、画像はGoogleのFlow(旧ImageFX)、字幕はPC版のVrewの5つで、企画から字幕づけまでの作業を減らせます。ただしAIに任せてよいのは下書きと作業の部分で、何を伝えるかと最後の確認は人が持ちます。

この記事は2026年10月時点の情報です。

悩む子

リールを毎週出したいけど、台本も編集も手が回りません…。

ハビット

工程を分けて、時間がかかるところだけAIに手伝ってもらおう!

この記事はこんな人にオススメ

  • リール制作に苦手意識がある企業の担当者
  • 社内に動画編集ができる人がいない企業
  • AIツールに興味はあるけれど、どれをどの作業に使えばよいか分からない方

この記事で分かること

  • リール制作のどの工程をAIに任せられるか
  • 企業がAIツールを選ぶときの3つの基準(商用利用・端末・社外秘の扱い)
  • おすすめの5つのツールと、企業での使い方(台本の頼み方の例つき)
  • Instagram公式のAI翻訳と、Editsアプリで使えるAI機能
  • AIで作ったリールで気をつけること(オリジナリティ・「AI情報」のラベル)

InstagramリールとAIツールの相性が良い理由

笑顔と悲しい顔の積み木から選ぶ手

リールは3秒〜3分の縦型の動画です(Instagramの公式ガイド)。短い時間に情報を詰めるので、台本・字幕・音声の作業が1本ごとに発生します。どれも手順が決まった作業なので、AIが手伝いやすい分野です。相性が良い理由は次の3つです。

① 字幕・音声などの作業を減らせる

話している動画に字幕を付ける作業は、手で打つと動画の長さの何倍もかかります。音声の自動文字起こしを使えば、AIが作った字幕を直すだけで済みます。ナレーションも、台本の文字から音声を作れば、収録の日程を組む必要がありません。

② 台本の下書きをすぐに複数作れる

白紙から台本を書くより、AIが出した下書きを直すほうが早く進みます。冒頭のひと言を3案、5案と並べて比べられるのも、人だけで書くときにはない良さです。

③ 少しずつ違う案を作って比べやすい

同じ素材で冒頭だけを変えた2本を作り、どちらが最後まで見られたかを比べる、といった試し方がしやすくなります。比べるときは、投稿後に同じ日数がたった時点のインサイトの数字を使います。

リールが伸びないときにどの数字を見て、どこから直すかは、次の記事で解説しています。

企業がリール用のAIツールを選ぶ3つの基準

企業で使うAIツールは、機能より先に、次の3つで選びます。個人の発信では気にしなくてよい点も、会社のアカウントでは問題になるからです。

  1. 商用利用ができるプランか:無料プランは個人の利用に限るツールがあります。たとえばFish Audioは、公式の料金ページで、無料プランで作った音声は個人利用(非商用目的)に限るとしています。会社の投稿に使うなら、利用規約で商用利用の可否を確かめ、必要なら有料プランにします
  2. 使う端末に対応しているか:スマホで完結したいのか、PCで作業するのかで選ぶツールが変わります。Vrewのように、スマホアプリが終了してPC版だけが続いているツールもあります
  3. 社外秘の情報をどう扱うか:発売前の商品名や顧客の声をAIに入力してよいかは、社内のルールで先に決めておきます。迷ったら、公開済みの情報だけを入力する決まりにします

この3つを満たすツールの中から、時間がかかっている工程に合うものを選びます。工程とツールの対応は、次の章の表にまとめました。

Instagramリール制作に使えるAIツール 5選

ノートPCやコーヒーが並ぶデスクでスマホを持つ手元

今回の5つは、リール制作の「企画・台本」「文字起こし」「ナレーション」「画像」「字幕」の工程に1つずつ当てはまるように選びました。料金はツールごとに変わりやすいため、この記事では書いていません。使う前に各社の公式ページで確かめてください。

ツール任せる工程企業で使うときの注意
Claude(クロード)企画・台本の下書き商品の事実と禁止表現は人が確認する
Notta(ノッタ)音声・動画の文字起こし使うのは自社の素材。他人のリールの台本を写さない
Fish Audio(フィッシュ・オーディオ)台本からナレーション音声を作る無料プランは個人・非商用のみ。声を使う人の了承を取る
Flow(旧ImageFX)背景・イメージ画像の生成商品そのものの写真の代わりにしない
Vrew(ブリュー)PC版自動字幕づけスマホアプリは2026年7月1日に終了。PCで使う

Claude(クロード)|台本制作や企画構成の強い味方

Claudeのロゴ

Claudeは、Anthropic社のAIチャットツールです。長い資料を読んで要点をまとめ、話し言葉の台本に組み直す作業に向いています。商品資料やよくある質問を渡せば、テロップ用の短い文やナレーションの下書きに変えてくれます。

台本の出来は、頼み方でほぼ決まります。Claudeの公式の説明では、望む出力を具体的に示すことを勧め、「タスクに関するコンテキストが最小限の同僚にプロンプトを見せ」て、同僚が混乱するならClaudeも混乱する、と書いています。「リールの台本を書いて」だけでは、どの会社にも当てはまる文が返ってきます。渡す内容は次の7つです。

  • 会社と商品(何を売っているか、今回取り上げる商品)
  • 見る人(年代・悩み・知っていること)
  • 目的(保存してほしい、プロフィールに来てほしい、など1つ)
  • 口調(です・ます、親しみのある話し言葉、など)
  • 冒頭の見せ方(画面に出す文字と、映す映像の両方)
  • 本題の流れと、締めに見た人にしてほしい行動
  • 使わない言葉(例:「必ず」「No.1」など、根拠を示せない表現)

頼み方の例(町のパン屋さんの場合)は次のとおりです。

例:「当店は東京の住宅街にあるパン屋です。30秒のリールの台本を作ってください。見る人は、朝食を手早く用意したい30代の会社員です。目的は投稿の保存です。口調はです・ますで、やわらかく。冒頭の画面には『冷凍した食パン、焼く前にひと手間』と出し、焼き上がりの断面を映します。本題は霧吹きで水をかけてから焼く手順を3つの場面で見せ、最後に『保存して明日の朝に試してください』で締めます。『必ず』『日本一』は使わないでください。」

公式の説明では、出力の例を見せることも勧めています。過去に保存が多かった自社のリールの台本を2〜3本貼り、「この構成に近い形で」と添えると、自社らしい言い回しに近づきます。できた台本は、商品の事実・価格・言い切りの表現を人が確かめてから撮影に入ります。

Notta(ノッタ)|文字起こしに最適

Nottaのロゴ

Nottaは、音声や動画を自動で文字にするAIツールです。録音した音声や動画のファイルを読み込むほか、Web版の画面収録や、YouTubeのURLの読み込みにも対応しています。

企業のリールで役立つのは、自社で撮った素材の文字起こしです。使い方の例は次のとおりです。

  1. 社員インタビューや店長の商品説明を、スマホで録画する
  2. Nottaで文字にし、話の中で一番伝えたい一文に印をつける
  3. その一文をリールの冒頭のテロップにし、残りの文字起こしはキャプションやブログの下書きに使う

1回の撮影から、リール・キャプション・記事の3つの材料が取れます。素材がすべて自社のものなので、次に説明するオリジナリティの面でも安心です。

以前は「よく見られている他人のリールを画面録画して、台本をそっくり文字起こしする」使い方も紹介されていました。今はおすすめしません。Instagramは2026年4月30日に、オリジナルの投稿を優先する方針を公式に示し、主に他人の投稿をそのまま使うアカウントはおすすめに載らなくなるとしています。他人の台本をそのまま使うことは、権利の面でも問題になります。他社のリールを参考にするなら、冒頭・展開・締めの組み立てだけを見て、言い回しは自社で作ります。

Fish Audio(フィッシュ・オーディオ)|AI音声合成でナレーションを手軽に

Fish Audioのロゴ

Fish Audioは、入力した文章を音声にするAI音声合成ツールです。用意された声から選べるほか、声のサンプルを読み込んで、その人に似た声を作る機能(ボイスクローン)もあります。台本さえあれば、収録の日程を組まずにナレーションを入れられます。

企業で使うときは、プランと声の扱いを先に決めます。公式の料金ページでは、無料プランは最大7分の生成で、作った音声は個人利用(非商用目的)に限ると書かれています。有料のPlusプランは最大200分で、商用利用ができます。会社のアカウントに載せるナレーションは、有料プランで作ります。

ボイスクローンを使うなら、声の持ち主である社員の了承を書面などで残し、退職したときに使い続けるかどうかも決めておきます。他人や有名人の声を似せて作るのは避けてください。

Flow(旧ImageFX)|AI画像で世界観づくりを強化

以前この記事で紹介したGoogleの画像生成AI「ImageFX」は、Googleの動画制作ツール「Flow」に統合されました。解説記事などによると、Google Labsは2026年2月に統合を発表し、ImageFXで画像を作れるのは2026年4月30日まででした。今は、文章で指示して画像を作る機能をFlowの中で使います。無料で使える範囲は案内のたびに変わっているため、公式の案内ページで確かめてください。

リールで画像生成が役立つのは、手持ちの写真が足りない場面です。たとえば次のような使い方です。

  • テロップを載せる背景(例:「朝の光が入るキッチンの台、何も置いていない、縦長」)
  • 説明の場面のイメージ(例:「雨の日に傘をたたむ人の手元、やわらかい色」)
  • シリーズ投稿の表紙の素材(色と雰囲気をそろえて数枚作る)

商品そのものはAIで作らず、実物の写真や動画を使います。実物と違う見た目の画像を商品として見せると、見た人の誤解につながります。写実的な画像を使うときの表示については、後の章で説明します。

Vrew(ブリュー)|字幕作成・テロップ編集に特化した「時短」動画編集AI

Vrewのロゴ

Vrewは、動画の音声を自動で文字にし、字幕としてタイムラインに並べてくれる動画編集ツールです。手で字幕を打つ工程を、AIが作った字幕を直す工程に置き換えられます。

注意したいのは端末です。App Storeの説明文では、Vrewのスマホアプリは2026年7月1日(韓国時間)にサービスを終了するとされていました。PC版は続いており、公式の料金ページには無料のプランと有料のプランが並んでいます。字幕づけの流れは次のとおりです。

  1. PC版のVrewで、撮った動画を読み込む
  2. 音声が自動で文字になり、字幕として並ぶ
  3. 商品名・人名・数字の聞き間違いを直し、1行を短く区切る
  4. フォントと色を自社の決まりにそろえ、縦型で書き出す

字幕の位置は、Instagramの画面ではボタンやキャプションが重なる部分があります。書き出したら、投稿前のプレビューで字幕が隠れていないかを確かめてください。撮影の段階での画質や構図の決め方は、次の記事で解説しています。

Instagram公式のAI機能も使える

外部のツールのほかに、Instagram自身もAIの機能を出しています。企業に関係が深いのは次の2つです。

リールのAI翻訳(日本語に対応)

Metaは2026年7月に、リールの音声を別の言語に翻訳するAI翻訳を発表しました。日本語に対応し、すべての公開アカウントが無料で使えます。訪日客や海外のお客さまに向けて発信したい観光・飲食・小売の企業に向いています。使い方は次のとおりです。

  1. 投稿の前に「リール動画を翻訳」をオンにする
  2. 「翻訳設定」で翻訳先の言語を選び、口の動きを合わせたいなら「リップシンクを追加」をオンにする
  3. 「翻訳を承認」の前に、プレビューで仕上がりを確かめる

翻訳されたリールには「AIで翻訳」のラベルが付きます。投稿後に翻訳をオフにすると、同じ動画では再びオンにできない点にも注意してください。

Editsアプリの自動キャプションと音声エンハンス

Instagramの動画編集アプリ「Edits」は無料で、App Storeの説明文では、キャプションの自動生成や、背景の雑音を除く音声エンハンス、画像を動画に変えるAIアニメーションが紹介されています。スマホで字幕まで済ませたい企業は、Vrewの代わりにEditsを使う方法もあります。なお、自分のアカウントの数字をもとに台本の案を出す「Edits assistant」は、2026年9月の発表時点で米国のみの提供です。Editsの機能と使い方は、次の記事で詳しく解説しています。

AIで作ったリールを投稿するときの注意点

AIを使っても、投稿の責任は企業にあります。投稿前に確かめることは次の3つです。

オリジナルの素材が中心になっているか

Instagramは2026年4月30日の公式ブログで、オリジナルの投稿を優先する仕組みを写真やカルーセルにも広げると発表しました。他人の動画に透かし・枠・字幕・クレジットを足しただけの再投稿は、オリジナルとはみなされません。また、2023年の公式の説明では、低い解像度や透かし入りのリール、ほぼ文字だけのリールはおすすめされにくいとされています。AIで作った画像や音声は、自社で撮った映像と組み合わせて使うのが基本です。

写実的なAI画像・音声には「AI情報」のラベルが付くことがある

Metaは、AIで作られたと判定したコンテンツに「AI情報」のラベルを付けています(2024年7月に「Made with AI」から名前を変えたと報道されています)。本物の人や出来事に見える写実的な動画や音声をAIで作ったときは、投稿する人が自分で開示することを求めています。ボイスクローンで作ったナレーションも対象になりえます。開示の方法と表記はアプリの版で変わるため、投稿の前にアプリの画面で確かめてください。

事実と言い切りの表現を人が確かめているか

AIの台本には、もっともらしい数字や言い切りが混ざることがあります。投稿前に、次の3点を担当者が見るだけでも事故を防げます。

  • 商品名・価格・数字が、社内の資料と合っているか
  • 「必ず」「誰でも」「No.1」など、根拠を示せない言い切りがないか
  • 字幕の聞き間違い(固有名詞・数字)が残っていないか

500件を超えるアカウントの運用に携わってきた株式会社ハッシュタグでも、AIは下書きと作業の短縮に使い、企画の狙いと最後の確認は担当者が持つ形で進めています。リールを企業の運用全体にどう組み込むかは、次の記事で解説しています。

よくある質問

リールをAIだけで全部作ってもよいですか?

おすすめしません。Instagramはオリジナルの投稿を優先しており、写実的なAIの動画や音声には開示が求められます。自社で撮った映像を中心にして、台本・字幕・音声の作業をAIで短くする使い方が向いています。

無料プランのまま会社のリールに使えますか?

ツールの規約しだいです。Fish Audioのように、無料プランで作った音声を個人利用(非商用目的)に限るツールもあります。会社の投稿に使う前に、各ツールの利用規約で商用利用ができるかを確かめてください。

スマホだけでAIを使ったリールは作れますか?

作れます。Instagramの「Edits」アプリには、キャプションの自動生成と音声エンハンスがあります。Vrewはスマホアプリが2026年7月1日に終了したため、Vrewを使うならPCで作業します。

ImageFXは今も使えますか?

使えません。ImageFXで画像を作れるのは2026年4月30日まででした。画像の生成は、Googleの「Flow」の中で使います。

海外向けにリールを出したいとき、AIで翻訳できますか?

できます。Instagramのリールには、日本語に対応した公式のAI翻訳があり、公開アカウントなら無料で使えます。投稿前に「リール動画を翻訳」をオンにし、プレビューで確かめてから承認します。

まとめ

リール制作に役立つAIツールは、工程ごとに次の5つでした。

  • Claude(クロード):企画・台本の下書き
  • Notta(ノッタ):自社素材の文字起こし
  • Fish Audio(フィッシュ・オーディオ):ナレーション音声(会社で使うなら有料プラン)
  • Flow(旧ImageFX):背景やイメージの画像
  • Vrew(ブリュー)PC版:自動の字幕づけ

最初の1つを選ぶなら、今いちばん時間がかかっている工程のツールです。台本で手が止まるならClaude、字幕に時間がかかるならVrewかEditsから試してください。どのツールでも、自社の素材を中心にし、投稿前に人が確かめる流れは変えません。

リールの企画や制作の体制づくりで迷ったときは、株式会社ハッシュタグでもご相談を受け付けています。

参考にした情報(2026年10月18日に確認。公式=各サービスの運営元の情報、報道=ニュースサイトの記事、解説記事=SNS運用や制作の会社などの記事、アプリ情報サイト=ストアの説明文を載せているサイト)

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