企業のInstagram運用は、最初に「何のために運用するか」という目的を1つ決め、その目的に合う数値をKPI(途中の目標の数値)として置くところから始めます。目的と見る数値の対応は、認知なら閲覧数・閲覧者とフォロワー以外の割合、ファン化ならフォロワーの反応(インタラクション・保存)、販売・採用・自社サイトへの誘導ならリンクのタップ数とその先の購入・応募・訪問の件数です。KPIは「期間+数値+何を」の形で書き、数値は自社の過去の実績から決めます。
この記事は2026年10月時点の情報です。
悩む子会社のインスタを始めました!目的は、とりあえずフォロワーを増やしてから考えようと思っています。
ハビットちょっと待って!目的が決まっていないと、どの数字を見ればいいかも決まらないんだ。先に目的を決めよう!
この記事はこんな人にオススメ
- 会社のInstagramを始めたが、何を目標にすればよいか決まっていない担当者
- フォロワー数以外に、どの数字を見ればよいか知りたい方
- Instagramから自社サイトへの訪問・応募・購入まで測りたい方
この記事で分かること
- フォロワー数だけを目標にすると成果につながりにくい理由
- 目的からKPIを決める5つの順番と、KPIの書き方の例
- 企業の主な5つの目的と、それぞれで見る数値の対応表
- 今のインサイトの指標名(閲覧数・閲覧者・インタラクションなど)
- 採用・ECサイトへの流入を、UTMパラメータで自社サイト側まで測る方法
「フォロワー増加」だけを目的にすると、Instagram運用は成果につながりにくい
フォロワー数は、目的ではなく途中の数字の1つです。フォロワーが増えても、そのあとに何をしてほしいのかが決まっていなければ、売上や問い合わせ、応募といった会社の成果には結びつきません。
たとえば、ブランドの認知を広げたい会社でも、集まったフォロワーが商品を届けられない地域の人ばかりなら、意味のある認知とはいえません。自社の商品を買ってほしい会社なら、商品に関心のない人がいくら増えても、購入にはつながりません。フォロワーを増やす前に「誰に、何をしてほしいか」を決めるのはこのためです。
フォロワーは少なくてもいい
フォロワーは多いほど良いとは限りません。地域の店舗、企業向けの商品、高い価格帯の商品などは、フォロワーの数より、買う可能性のある人がどれだけいるかのほうが大事です。
たとえば、市内で注文住宅を建てる工務店なら、全国から1万人のフォロワーを集めるより、市内で家づくりを考えている人が少しずつ増え、そこから資料請求や見学会の予約が入るほうが成果に近づきます。この場合に追う数字は、フォロワー数ではなく、プロフィールのリンクのタップ数と、その先の資料請求の件数です。
フォロワー数だけを追うと、商品に関心のない、見込み客ではないフォロワーばかりが増えることがあります。フォロワーが増えないときの見直し方は、次の記事で解説しています。
インスタの企業アカウントでフォロワーが増えない原因5つと改善策企業アカウントのフォロワーが増えない主な原因は、ターゲットがあいまい、投稿が宣伝中心、統一感がない、やり取りが少ない、投…Instagram運用の目的設定をしよう!(目的からKPIを決める順番)

目的からKPIまでは、次の順番で決めます。目的によって追う数値が変わるので、数値から先に決めないことが大事です。
- 目的を決める:会社の成果につながる言葉で書く。例「Instagram経由の採用の応募を増やす」
- 取ってほしい行動を決める:投稿を見た人に何をしてほしいか。例「採用ページを見てもらう」
- 投稿の文言を決める:その行動を1つだけ頼む。例「仕事内容はプロフィールのリンクの採用ページで見られます」
- 見る数値を決める:行動を数える数字を選ぶ。例「プロフィールのウェブサイトのタップ数」と「採用ページの閲覧数・応募数」
- 一定期間後に見直す:例「4週間たったら数字を比べ、文言か投稿のテーマを1つだけ変える」
3つ目の「行動を1つだけ頼む」は、解説記事の間で一致している考え方です。1つの投稿で保存・フォロー・プロフィールを見る、を同時に頼むと、どれも選ばれにくくなります。2つ入れるなら、主と副をはっきり分けます。
KPIは「期間+数値+何を」で書く
KPIは、いつまでに、どれだけ、何を増やすのかが分かる形で書きます。SNSキャンペーンのツールを提供するOWNLY(オウンリー)の解説では、KPIの書き方の例として「2週間でフォロワーを500人増やす」「UGC投稿を100件集める」が挙げられています。
この数字は書き方の例で、目安ではありません。目的ごとのKPIに、どの会社にも当てはまる目安の数値はありません。自社の直近1〜3か月の実績を出し、そこから少し上を次の期間のKPIにします。例「直近4週間のウェブサイトのタップ数が月40回なら、次の4週間は50回を目指す」。
ハビット他社の数字より、自社の先月と比べるほうが、次にやることが見えるよ!
企業がInstagramを運用する主な目的
企業がInstagramを運用する主な目的は、次の5つです。目的ごとに、Instagramのインサイトで見る数値と、自社サイト側で見る数値をまとめました。
| 目的 | Instagramで見る数値 | 自社サイト側で見る数値 |
|---|---|---|
| ①認知を高める | 閲覧数、閲覧者、フォロワー以外の割合 | ― |
| ②ユーザーのファン化 | 閲覧者のうちフォロワーの割合、インタラクション(いいね・コメント・保存・シェア)、保存数 | ― |
| ③商品の販売促進 | リンクのタップ数、商品タグのタップ | Instagram経由の購入数 |
| ④採用活動の強化 | プロフィールのウェブサイトのタップ数、リンクスタンプのタップ | 採用ページの閲覧数、応募数 |
| ⑤自社サイトへの誘導 | ウェブサイトのタップ数、リンクスタンプのタップ | Instagram経由の訪問数、滞在時間、問い合わせ数 |
指標の名前は、2024年11月に変わりました。Metaは、それまでの「インプレッション」や「再生数」を「閲覧数」にまとめています。今のインサイトで見る主な数字は、公式ヘルプの日本語表記で「閲覧数」「閲覧者」「インタラクション」と、「プロフィールのアクティビティ」(ウェブサイトのタップ数などを含む)です。閲覧者は、コムニコ社の2026年9月の解説では「リーチしたアカウント数」と書かれている数字です。アプリの版で表記が変わることがあるので、自社の画面で確かめてください。
①認知を高める

商品やブランドを、まだ知らない人に知ってもらう目的です。見る数値は、投稿の「閲覧数」と「閲覧者」、そしてそのうちフォロワー以外の人の割合です。
投稿ごとのインサイトでは、閲覧数がどこから来たかが「ホーム」「プロフィール」「ハッシュタグ」「発見」などに分かれて表示され、フォロワーとフォロワー以外の割合も出ます。フォロワー以外の割合が高く、内訳の「発見」が多い投稿は、フォロワーの外に広がった投稿です。同じ形式の投稿どうしで比べ、広がった投稿のテーマを増やします。
発見タブに表示される仕組みと、載りやすい投稿の作り方は、次の記事で解説しています。
②ユーザーのファン化
共感される投稿とやり取りを続け、ブランドのファンを育てる目的です。ファン化は、フォロワーが投稿にどれだけ反応しているかで測ります。
- 閲覧者のうちフォロワーの割合:フォロワーに投稿が届いているかを見ます
- 投稿ごとのインタラクション:いいね・コメント・保存・シェアの数を、同じ形式の投稿どうし(例:カルーセルとカルーセル)で比べます
- UGCの数:自社がタグ付けされた投稿や、指定したハッシュタグの投稿を、月ごとに数えます
フォロワーのホームに投稿が届いているかを見る「ホーム率」という考え方もありますが、Instagramの公式の指標ではありません。計算の仕方は1つ目の記事に、UGCの集め方と数え方は2つ目の記事にまとめています。

引用元:https://www.instagram.com/elly_beautypartner_shiseido/
上の画像は、資生堂の美容部員のアカウントのストーリーズの以前の表示で、質問スタンプでアイシャドウの悩みを募っています。質問やアンケートのスタンプは、フォロワーがその場で答えられるので、②で見るフォロワーの反応を増やす手段になります。反応を増やす投稿の作り方は、次の記事で解説しています。
③商品の販売促進

商品の魅力を伝え、購入につなげる目的です。購入はInstagramの中ではなく、自社のECサイトで行われます。そのため、Instagram側の数字と、ECサイト側の数字をつないで見ます。
- Instagram側:プロフィールやストーリーズのリンクのタップ数、投稿に商品タグを付けている場合は商品タグのタップ(項目の表記はアプリで確かめてください)
- ECサイト側:Instagramから来た訪問のうち、購入に至った件数
2つをつなぐには、リンクにUTMパラメータを付けます(やり方は⑤で説明します)。タップは多いのに購入が少ないなら、リンク先の商品ページを見直します。タップ自体が少ないなら、投稿の最後の1枚で、リンクを案内する文言を足します。
商品タグを使うショッピング機能の条件と導入の手順は、次の記事で解説しています。
④採用活動の強化

職場の雰囲気や社員の声を発信し、応募につなげる目的です。応募はInstagramの中では数えられないので、採用ページ側で、Instagram経由の閲覧と応募を分けて数えます。
Instagram側で見るのは、プロフィールのアクティビティにある「ウェブサイトのタップ数」と、ストーリーズのリンクスタンプのタップ数です。採用ページ側で見るのは、Instagram経由の閲覧数と応募数です。たとえば、ウェブサイトのタップ数が月30回、採用ページのInstagram経由の閲覧が月25回、応募が月1件なら、投稿は届いているので、採用ページの中身か応募の手順を見直します(数字は説明のための例です)。
⑤ECサイト等、自社サイトへの誘導
投稿やストーリーズから、自社のECサイトやサービスのページへ来てもらう目的です。滞在時間や直帰率は、Instagramではなく、自社サイトの解析(Googleアナリティクスなど)で見る数字です。Instagram経由の訪問を分けて数えるために、リンクにUTMパラメータを付けます。
UTMパラメータは、URLの末尾に付ける目印です。Googleアナリティクスのヘルプでは、主な項目として次の3つが挙げられています。
| 項目 | 意味 | Instagramで使う値の例 |
|---|---|---|
| utm_source | 参照元(どこから来たか) | |
| utm_medium | メディア(どんな種類の経路か) | social |
| utm_campaign | キャンペーン(何の施策か) | recruit_2026(採用)、autumn_sale(秋のセール)など |
たとえば採用ページなら、プロフィールのリンクを次のようにします(例です)。
例:https://(自社のドメイン)/recruit/?utm_source=instagram&utm_medium=social&utm_campaign=recruit_2026
プロフィールのリンクとストーリーズのリンクで utm_campaign の値を分けておくと、どちらから来た人が多いかも分かります。値は社内で一覧にして、担当者が替わっても同じ書き方をします。

引用元:https://www.instagram.com/charleskeith_jp/
上の画像は、CHARLES & KEITHの日本の公式アカウント(2026年10月時点でフォロワー約26.1万人)のストーリーズの以前の表示で、ストーリーズにリンクスタンプを置いた例です。ストーリーズのリンクスタンプにもUTMパラメータを付けたURLを使えば、ストーリーズ経由の訪問を自社サイト側で数えられます。
KPIを置いたあとの見直し方
KPIは、決めたあとに段階で見ると、どこで人が離れているかが分かります。「保存 → プロフィールへのアクセス → リンクのタップ → 自社サイトでの購入・応募」と並べ、数字が大きく落ちている段階を1つ見つけて直します。
- 閲覧数は多いのにプロフィールへのアクセスが少ない:投稿の最後に、プロフィールを見る理由を1文入れる(例:「ほかの施工事例はプロフィールから見られます」)
- プロフィールへのアクセスは多いのにリンクのタップが少ない:自己紹介に、リンク先で何ができるかを書く(例:「見学会の予約は下のリンクから」)
- リンクのタップは多いのに購入・応募が少ない:リンク先のページを見直す
累計500件以上のアカウント運用を手がけてきた株式会社ハッシュタグでも、立ち上げの打ち合わせでは、投稿の中身より先に「目的・取ってほしい行動・見る数値」の3つを決め、4週間ごとに同じ表で見直す進め方をおすすめしています。数字が落ちている段階が分かれば、次に直すことが1つに絞れます。
保存率やプロフィールアクセス率などの計算式は1つ目の記事に、運用全体の手順は2つ目の記事にまとめています。
よくある質問
- Instagram運用の目的は、いくつ決めればいいですか?
-
主の目的を1つ決めます。目的ごとに見る数値と投稿で頼む行動が変わるため、複数を同じ重さで追うと、どの数字を伸ばせばよいかが決まりません。ほかの目的は、副として扱います。
- インスタのKPIの目安の数値はありますか?
-
どの会社にも当てはまる目安の数値はありません。業種やフォロワー数、投稿の形式で数字が大きく変わるためです。自社の直近1〜3か月の実績を出し、そこから少し上を次の期間のKPIにします。
- インサイトに「インプレッション」が見当たりません。
-
インプレッションは「閲覧数」にまとめられました。Metaは2024年11月、インプレッションや再生数を閲覧数に置き換えています。閲覧数は、同じ人が何度見ても数える回数です。
- Instagramから自社サイトに来た人数は、どこで見られますか?
-
自社サイトの解析(Googleアナリティクスなど)で見ます。プロフィールやストーリーズのリンクにUTMパラメータ(例:utm_source=instagram)を付けておくと、Instagram経由の訪問や応募・購入を分けて数えられます。Instagram側では、ウェブサイトのタップ数までが分かります。
まとめ
企業のInstagram運用は、目的を1つ決め、「目的 → 取ってほしい行動 → 投稿の文言 → 見る数値 → 見直し」の順でKPIまで落とし込みます。企業の主な目的は次の5つでした。
- ①認知を高める:閲覧数、閲覧者、フォロワー以外の割合
- ②ユーザーのファン化:閲覧者のうちフォロワーの割合、インタラクション、UGCの数
- ③商品の販売促進:リンク・商品タグのタップと、ECサイトでの購入数
- ④採用活動の強化:ウェブサイトのタップ数と、採用ページの閲覧数・応募数
- ⑤ECサイト等、自社サイトへの誘導:ウェブサイトのタップ数と、UTMで数えたInstagram経由の訪問
KPIの数値は、他社の目安ではなく自社の直近の実績から決めます。まずは自社の主な目的を1つ書き出し、対応表から見る数値を2つ選んでください。
自社に合う目的やKPIの置き方で迷ったときは、株式会社ハッシュタグでもご相談を受け付けています。
企業がInstagramを使う理由から読みたい方は、次の記事もどうぞ。
参考にした情報(2026年10月18日に確認。公式=Meta・Googleの運営元の情報、解説記事=SNS運用・マーケティング支援の会社などの記事、企業の実例=公式アカウントの表示)
- Meta「閲覧数(Views)」の導入(2024年11月、インプレッション・再生数を閲覧数に統一)(公式)
- Google アナリティクス ヘルプ「URL 生成ツール: カスタム URL でキャンペーン データを収集する」(utm_source・utm_medium・utm_campaign)(公式)
- Instagramヘルプ「Instagramインサイトについて」(指標名:閲覧数・閲覧者・インタラクション)(公式)
- コムニコ(2026年9月、インサイトの指標名と閲覧数の内訳)(解説記事)
- 株式会社吉和の森(2026年5月、目的から指標を絞る順番)(解説記事)
- OWNLY「SNS KPI」(KPIの書き方の例)(解説記事)
- OWNLY(閲覧数の確認と、目的に合う数値)(解説記事)
- インスタラボ(2021年7月、1つの投稿で頼む行動は1つ)(解説記事)
- 資生堂 美容部員のアカウント(ストーリーズの表示例)(企業の実例)
- CHARLES & KEITH 日本公式Instagram(フォロワー数)(企業の実例)











